ZoomInfoとは|機能・価格・掲載された個人の対処法を一次情報で整理

ZoomInfoとは|機能・価格・掲載された個人の対処法を一次情報で整理

ZoomInfoとは|機能・価格・掲載された個人の対処法を一次情報で整理

ZoomInfoの定義、データの集め方、製品構成、価格の決まり方、日本での使いどころの確認方法を、SECへ提出されたForm 10-K(FY2025)を出典に整理します。掲載された個人が取れる手段と、データ提供元を選ぶときに確認する3点もあわせて扱います。

ZoomInfoは、企業情報と担当者の連絡先情報を提供し、それを使った営業活動を支援する米国のBtoBデータプラットフォームです。提供元はZoomInfo Technologies Inc.で、ティッカーはGTMです。ビデオ会議サービスのZoomとは別の会社です。

このキーワードで調べる人は2つに分かれます。導入を検討している企業の担当者と、自分の情報が載っていることに気づいた個人です。前者が知りたいのは機能・価格・日本で使えるかどうかで、後者が知りたいのは載った理由と止め方です。以下では両方を扱います。

数値と仕様は、同社が米国証券取引委員会(SEC)へ提出した年次報告書(Form 10-K、2026-02-12提出、対象期間2025-12-31まで)から取りました。解説記事の転記ではなく、開示文書を出典にしています。

出典: https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1794515/000179451526000012/zi-20251231.htm

ZoomInfoとは何ですか?

ZoomInfoは、企業と担当者のデータを収集・整備して提供し、そのデータ上で営業活動を実行できるようにしたプラットフォームです。提供するデータには、売上、拠点、利用技術、そして役職・メールアドレス・電話番号を含む連絡先情報が含まれます。

事業規模は10-Kの数値で次のとおりです。

項目

FY2025

FY2024

売上

12億4,950万ドル

12億1,430万ドル

GAAP営業利益

2億2,570万ドル

年間契約金額10万ドル超の顧客数

1,921社

1,867社

米国外の顧客・パートナー由来の収益比率

約12%

12%

収益比率は、顧客・パートナーが申告した住所にもとづく区分です。FY2025に売上の10%を超える単一顧客はありません。

収益の約88%が米国内から出ているという構造が、日本での使いどころを考えるときの出発点になります。

ZoomInfoで何ができますか?

データの作り方と、その上に載る製品群の2つに分けると整理できます。10-Kが説明しているのは前者です。

データは、数百万の公開ソースおよび独自ソースから集約・抽出されます。エビデンスベースの機械学習アルゴリズムが、数十億のデータポイントを毎週スコアリングし、採否を判定します。加えて、BtoBデータのクレンジングを専門とするリサーチアナリストとデータサイエンティストのチームが、品質保証とデータの欠けの解消にあたります。

有料製品は、ZoomInfo Copilot / Sales / Marketing / Operations / Talent の5つに分かれ、一部にアドオンがあります。無料版はZoomInfo Lite(community edition)です。各製品の機能の内訳は開示文書に書かれていないため、公式の製品情報で確認してください。

使い方でつまずくのは、データの入れ先

契約後に手間がかかるのは、検索や抽出の操作ではありません。抽出したデータをどこへ入れ、既存のデータとどう突き合わせるかの設計です。ここを決めずに使い始めると、CRMの中に出所の違う同じ会社が並びます。

先に決めておくことは3つです。取り込み先を企業単位と担当者単位のどちらで持つか、既存レコードと衝突したときにどちらの値を優先するか、そして取り込んだデータの出所を項目として残すかどうか。3つめを省くと、あとから「この会社はどこから入ったのか」を追えなくなります。

外部データを入れる運用は、入れた時点で終わりません。担当者は異動し、企業は移転します。取り込みの設計と同じ重さで、更新の運用を先に決めておくことです。

ZoomInfoの価格は?

公開価格はありません。10-Kは、機能・ユーザー数・管理下のレコード数(records under management)にもとづいて価格を決めると記載しています。金額そのものの開示はないため、見積もりを取る以外に確認する方法はありません。

解説記事にプラン別の年額が書かれていることがありますが、出典が公式でない数字を自社の予算計算に持ち込まないことです。ユーザー数とレコード数で動く構造の価格に、単一の相場は成立しません。

見積もりを取る前に決めておく条件は4つです。ここを揃えないと、複数社の見積もりを並べても比較になりません。

  • 必要な製品モジュール。 データ提供だけか、配信や連携の機能まで含むか

  • ユーザー数。 閲覧のみの利用者を含めるかどうかで変わる

  • レコード数の上限。 抽出件数ではなく、管理下に置く件数で数える

  • 契約期間。 年数と、期中の増減の扱い

日本で使えますか?

10-K全文に「Japan」の記載はありません。規制の列挙もGDPR、英国のGDPR国内法化、インドのDPDPA、米国のCCPA/CPRAで、日本の個人情報保護法への言及はありません。

年次報告書は日本市場について書く義務のある文書ではないため、記載がないことは日本で使えないことを意味しません。この文書から言えるのは、日本市場が投資家向けの説明対象になっていないことだけです。日本語UIの有無、日本法人の有無、日本企業データの収録範囲は、公式に問い合わせて確認する範囲になります。

確認は、収録件数を聞くのではなく実データで行います。次の3つを依頼してください。

  • 自社のターゲット企業リストを30〜50社渡し、何件ヒットするかを出してもらう

  • ヒットした企業について、どの項目が埋まっているかを見る(業種・従業員規模・部署・担当者)

  • 日本企業データの取得元と更新頻度を確認する

判断材料になるのは全体の収録件数ではなく、自社のターゲットに当たる率です。 数百万件という規模が自社の商圏を含んでいるかは、規模の数字からは分かりません。

照合に出す30〜50社は、当たりやすい企業だけで揃えないことです。上場企業や有名企業はどのデータベースにも入っているため、ヒット率が実態より高く出ます。既存顧客、失注した企業、まだ接触していない企業を混ぜ、そのうえで従業員規模の大小と地域の偏りをばらすと、実際に使ったときの当たり方に近づきます。

結果は2つに分けて読みます。企業として引けたかどうかのヒット率と、引けた企業で必要な項目が埋まっているかどうかの充足率です。ヒット率が9割でも、部署と担当者が空なら、接触の起点としては使えません。逆にヒット率が5割でも、埋まっている企業が自社のICPの中心なら成立します。

向いているケース、向いていないケース

目的によって当たり外れが変わります。優劣ではなく、どちらの用途に設計されているかの違いです。

目的

向き

理由

北米・欧州の企業へ新規開拓する

向く

収益の約88%が米国内。英語圏のデータと運用が中心

海外企業の担当者に直接連絡したい

向く

提供データに役職・メールアドレス・電話番号が含まれる

国内企業中心のリストを作る

要確認

日本企業データの収録範囲が開示文書では確認できない

個人の連絡先を保有しない方針を取っている

向かない

提供データに個人の連絡先が含まれる

CRM内の重複と表記ゆれを解消する

別の手段

外部からデータを足す製品であり、既存データの整備は目的が異なる

最後の2行は、ZoomInfoの性能の話ではありません。外部からデータを仕入れることと、手元のデータを使える状態にすることは、別の作業です。

自分の情報が勝手に載っているのはなぜですか?

10-Kは、データが集まる経路を2つ書いています。どちらも本人の申込みを前提にしていません。

1つは前述の収集経路です。公開ソースと独自ソースから連絡先情報が抽出され、機械学習で採否が判定されます。SNSや企業サイトに出した所属・役職・連絡先が、この経路で取り込まれます。

もう1つはcontributory network(寄与ネットワーク)です。無料版ZoomInfo Liteの利用者は、追加の月次クレジットと引き換えにこのネットワークへ参加できます。有料顧客の多くも、自社CRM内のデータ品質を上げるために参加しています。参加をやめることもでき、10-Kはこれを事業リスクとして開示しています。

つまり、自分がZoomInfoに登録したことがなくても掲載されます。 掲載の起点は本人ではなく、公開情報と、そのデータベースを使っている企業側にあります。

掲載を止めたい場合

10-Kは、自社サイトにTrust Centerという窓口を設けていると記載しています。顧客に限らず誰でも、アクセス請求・オプトアウト請求・データベースからの削除請求を提出できる一元窓口です。

プライバシーチームが、プラットフォーム上の連絡先情報へのアクセス請求と削除請求の処理にあたります。個人への直接通知プログラムも実装しており、オプトアウト請求はデータベース全体にわたって尊重するよう努める、と書かれています。日本在住者の請求がどう扱われるかは記載がないため、請求の可否と処理期間は窓口で確認してください。

1点補足すると、営業メールが届く原因が1社に限られるとは考えないことです。BtoBデータベースは複数の事業者が同じ公開情報を扱うため、1つの掲載を止めても別の提供元に残っている場合があります。

そのため、請求と並行して掲載元を洗い出してください。自分の氏名と会社名で検索すると、掲載しているサービスがある程度は表に出ます。届いた営業メールの送信元に、どのデータベースから情報を得たかを尋ねる方法もあります。

あわせて、これから流れる分を止める側の作業も残ります。SNSの公開範囲、プロフィールに載せている連絡先、イベントや資料請求で渡した情報のうち、どこまでが第三者提供の対象になっているか。すでに載っているものへの請求と、これから載る経路を絞ることは別の作業です。

制度としての確認先

日本では、本人の同意なく個人データを第三者に提供する場合、オプトアウト規定にもとづく届出が必要になる場合があります。個人情報保護委員会は届出を受け付け、届出の内容を公表・検索できるようにしています。

提供元が届出をしているかは、この公表一覧で確認できます。掲載された個人からも、データを使う企業側からも、同じ一覧を参照できます。

出典: https://www.ppc.go.jp/personalinfo/legal/optout/https://www.ppc.go.jp/personalinfo/preparation/optout/publication_list/

データの提供元を選ぶときに確認する3点

導入を検討する側の論点も、掲載された個人が気にしていることと同じ場所にあります。社内の法務やコンプライアンス側から問われるのは、収録件数ではなく次の3点です。

  1. 掲載範囲。 企業情報だけか、人物の氏名・役職・メールアドレス・電話番号まで含むか

  2. 取得元。 公開情報か、利用企業からの寄与か、他のデータ事業者からの購入か

  3. 届出の有無。 オプトアウト規定による第三者提供の届出がされているか

この3点を稟議で説明できない範囲のデータは、使い始めたあとに止めることになります。契約前に、提供元へ書面で確認してください。

書面で押さえる内容も具体化しておきます。掲載範囲については、項目の一覧そのものを出してもらうことです。「企業情報が中心」という説明ではなく、実際に納品される項目名で確認します。取得元については、他のデータ事業者から購入している部分があるかどうかを確認します。ここが自社の使い方の可否に関わる場合があります。

届出については、事業者名と法人番号で公表一覧を引き、届出の番号と提供項目を照らします。提供項目の記載と、自社が受け取る項目が一致しているかまで見ることです。 一覧に載っていることだけを根拠にしないでください。

CRM側でデータを整える選択肢

外部からデータを仕入れる製品と、CRMのデータを整え続ける製品は、目的が違います。並べると次のようになります。


外部からデータを仕入れる

CRMのデータを整え続ける

目的

接触先を増やす

手元のデータを使える状態にする

主な処理

条件抽出、連絡先の取得

重複統合、表記統一、欠損補完、分類

結果が出る場所

リストの母数

集計と自動化の精度

外部データを入れたあとに起きることは3つに集約されます。同じ会社が表記違いで2行に分かれる、外部の値が既存の正しい値を上書きする、同じ企業へ別の担当者から連絡が飛ぶ。いずれもデータを足したこと自体ではなく、足した先の整備が追いついていないために起きます。

裏返すと、外部データの価値は、入れる前に決めた突き合わせのルールで決まります。ルールがないまま件数を足すと、母数が増えた分だけ手直しが増えます。

DataSangoは、株式会社Merが提供するAIデータオペレーションズプラットフォームです。CRM上の企業データを、プロスペクト・クレンジング・マージ・エンリッチメント・トランスフォーム(PCMET)とAIで整備し続けます。500万社以上の企業データベースから、業種・地域・従業員規模などの条件で企業・部署データを抽出し、CRMに追加できます。

扱うデータの範囲を明示しておきます。DataSangoは、人物のSNS情報を掲載していません。個人の電話番号やメールアドレスも扱っていません。前章の3点のうち「掲載範囲」について、確認しやすい形にしてあります。

重複の統合は、実行すると元に戻せない処理です。DataSangoは、どのレコードを残しどの項目を採用するかの統合ルールを実行前に定義でき、ルールを適用した結果を実行前にプレビューできます。実行後は変更履歴が残り、元に戻す場合は変更履歴をCSVで書き出して入れ直します。

無料プランがあります。手元のCRMを接続して、重複と表記ゆれがどれだけあるかを見るところから始められます。

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よくある質問

ZoomInfoの日本語版はありますか?

10-Kに日本語UIについての記載はありません。公式に確認してください。この文書から言えるのは、米国外の顧客・パートナー由来の収益が約12%であることだけです。

ZoomInfoに無料プランはありますか?

無料版としてZoomInfo Liteがあります。10-Kはcommunity editionと記載しています。利用者は、追加の月次クレジットと引き換えにcontributory networkへ参加できます。参加は任意です。

ZoomInfoから届くメールを止めたいのですが、どうすればよいですか?

Trust Centerの窓口から、オプトアウト請求とデータベースからの削除請求を提出できます。10-Kは、オプトアウト請求はデータベース全体にわたって尊重するよう努めるとしています。日本在住者の扱いについての記載はないため、処理の可否と期間は窓口で確認してください。

企業データベースの収録件数はどう比べればよいですか?

全体件数では比べません。自社のターゲット企業リストを渡してヒット率を出してもらい、ヒットした企業でどの項目が埋まっているかを見ます。件数の大小より、必要な項目が埋まっている割合が使い勝手を決めます。

外部データの購入とCRMのデータ整備は併用できますか?

併用します。外部から足したデータは、既存のCRMデータと重複することがあるため、取り込みの前に重複確認を挟みます。手順はCRMの重複データ対策で扱っています。

取り込んだ外部データが既存の値を上書きするのを防げますか?

取り込み前に、項目ごとに優先順位を決めてください。全項目を一律で外部優先にすると、自社で確認した値が失われます。商談で確認した担当者名や請求先の情報は自社側を優先し、業種や従業員規模のように自社で更新していない項目は外部側を採る、という分け方が扱いやすい形です。

上書きの記録が残る仕組みかどうかも先に確認します。記録がなければ、値が変わったことに気づけません。

日本企業データの取得元を確認する意味は何ですか?

更新の頻度と、収録の偏りが取得元で決まるためです。自社で収集しているのか、他のデータ事業者から購入しているのかで、データが古くなる速さも、どの規模の企業が厚いかも変わります。

取得元は、前章の確認3点のうち2つめに当たります。掲載範囲とあわせて、契約前に書面で確認してください。

リストを作るところから整理したい場合はどこを見ればよいですか?

作成手段の選び方はターゲットリストの作り方、必要件数の考え方は見込み客リストとはにあります。表記ゆれや重複の整え方はデータクレンジングとはを参照してください。

参照情報